私のやさしい調教師⑥
「どうだ、きれいに取れているだろう。ワックス除毛という古くからある方法だ。ほら、ツルツルになっている」
「ほんまや、これはええわ。ほんまツルツルになっとるわ」
田中のはしゃぐ声が聞こえた。
「どうなったかお前にもみせてやろう」
股間が手鏡に映っている。五センチ角の部分の毛がきれいに剥ぎ取られていた。
玲子の眼からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「さあ、続けてやってみろ。同じようにやればいい」
竜造が道具を田中に渡した。
「見事なもんやなあ。ホントきれいやわぁ、よっしゃ、儂もやったるわ。全部、剥ぎ取ってやるさかい」
田中は嬉しそうに玲子の股間にワックスを塗り始めた。
「毛の生えている方向と真逆に引き剥がすのがコツだからな」
「わかっとる」
身体に似合わず、田中が几帳面な性格であることが玲子にはよく分かった。作業がとても丁寧で、緻密なものだったのである。
少しずつワックスを塗っては、紙片を当て押さえつけて引き剥がす。
ぐっと顔を近づけて、デルタ、性器、蟻の門渡り、そして肛門という具合に、玲子の大事な部分を田中はつぎつぎと処理していった。田中の顔から大量の汗が噴き出し、ポタポタと玲子の身体の上に落ちる。
紙片が剥ぎ取られるときに痛みを感じる。だが、それはあっという間の事で、痛みは思ったほどではない。
単調な作業が繰り返し、繰り返し続いていた。
ある程度作業を行うたびに田中は手を止め、ちょっと離れて出来上がりを確かめる、さらにその毛を抜いた部分を指で触って抜け具合を確かめている。
かれこれ一時間は経っただろうか、「終わったわ!」と田中が汗だくの顔を上げた。
「これで拭いてやれ」
竜造がタオルを手渡した。
「オイルが染みこませてある。皮膚についたワックスが取れる」
田中がゴシゴシと股間を拭いている。
「つるつるやで!」
嬉しそうな声が上がった。
玲子は鏡を見た。処理された陰部がすっかり見えている。
なんということだろう。あれだけあった剛毛がきれいに取り去られていた。
プツプツと毛根の跡が残り、ところどころ血が滲んでいる。そして、盛り上がった土手の下に醜悪な格好をした性器がぱっくりと口を開けて虚ろを見せており、その下に無数の皺に囲まれた菊門がおののいているのが見えた。
「どうだ、きれいなもんだろう。跡形もない。すっかり清潔になったぞ」
「ひ、ひどい……こんなにするなんて……あんまりよ、あんまりだわ」
玲子は声をあげ泣き出した。
「パイパンや。パイパンになってしもたぁ」
田中がはしゃいだ調子で声をあげる。
これが奴隷になるということなのか?
童女のような無毛の股間、そのくせ、陰唇が淫らに盛り上がったアンバランスな姿を見て、玲子はもはや非難の声をあげる気力も失せていた。
なんという浅ましい姿――これが奴隷というものか。
カシャッ、カシャッという音。写真を撮っているのだ。
玲子の脳裏に大きな不安がよぎる。
これはほんの序の口ではないか。このあと――もっともっとひどいことが待っているはずだ。
どうしたらいい? 私はどうなってしまう?
涙がつぎからつぎへと湧いてきた。竜造が声を掛けてきた。
「泣くほどのことはない。毛はまた生えて来る。だが、伸びる前に、今度はたっぷり時間をかけて永久脱毛しような。毛穴の中に針を突き刺して、毛根を焼き切ってやる」
竜造が笑う。玲子はもう何も考えられない。竜造が田中に小さな容器を手渡し、「これをアソコに塗ってやれ、隅から隅まで、丹念に塗り込むんだぞ……」と念を押すのを玲子はもはや聞いていなかった。