ささやかな奈落のはじまり⑧
ここまで落ちてしまって、果たして元の自分に戻れるのか?
不安な気持ちが頭の中一杯に拡がっていく。
いわれるままパンティをずらして足を抜き、きれいにたたんで、ブラジャーの上に重ねた。
しゃがむと秘めやかな部分が露わになるのが気になる。
手で陰部と胸を隠して立ち上がる。
「これで……良いでしょう」
弱々しい声で玲子は訊いた。だが、竜造は首を横に振る。
「恥ずかしいのか? 生娘でもあるまいし。そんなのじゃだめだ。そこに坐って、旦那様の前で大きく脚を開け。それから、指でアソコの肉を押し広げて、内臓まで見えるようにするんだ」
「そ、そんなことっ!」
玲子が哀しげな悲鳴を上げた。
「はやくせんかっ! はやくその浅ましい部分を全て曝け出して、旦那様にお見せするんだ」
竜造はまったく容赦がない。玲子が躊躇っていると、
「嫌か? 早速、契約違反になるぞ」とたたみかけてくる。
契約違反と聞いて、玲子はさすがに慌てた。これ以上ひどいことになっては堪らない。
「や……やります……やります」
諦めて卓の上に坐ると、玲子は脚を大きく開いた。
「いい娘だ」
開いた脚の直ぐ前に、総髪の男の顔がある。
男達はにやにや笑いながら、食い入る様に玲子の陰部を見つめている。
ああ、いやだ、こんなこと!
視線を感じて身体中が熱くなる。
「きれいな性器だな。男が喜びそうだ。だが、だいぶ毛深いぞ」
竜造も同意した。
「確かに、剛毛が後ろの方まで続いていますぜ。まるでタワシだ」
なんとひどいことをいうのか? 自分の気にしていることをあからさまに口にされて、玲子は真っ赤になった。
「恥ずかしいのか? 恥ずかしがる姿が可愛いじゃないか。じゃあ、もっと恥ずかしいところを奥までたっぷり見せてもらおう」
総髪の男が顔を乗り出した。
「丹那様がよく見えるように、割れ目を指で開くんだ」
すかさず竜造が命じる。
玲子は仕方なく、たっぷりと生えた陰毛を掻き分け、陰裂の両側に指を当てると左右に開いてみせた。
「ご開帳ですな。内臓まで見えますぞ」
竜造が卑猥な笑い声を上げる。
「ほほう!」と総髪の男が嬉しそうな声を上げた。
「こいつ余り男を知らんな」
「えっ、そんなはずは?」
竜造が不思議そうな顔をする。
「ほら、まるで生娘のようじゃないか」
竜造も改めて玲子の股間を覗き込んだ。
「本当だ。ビラビラもその奥もきれいなピンク色をしている」
「これは掘り出し物かも知れんぞ」
「確かに……きれいな肉付きだ。典型的な上付きですな、ずいぶんと襞が多い」
「クリトリスは普通より大きい……ははあ、お前、勃起しているな。見られて感じているのだろう?」
総髪の男がいった。玲子は悔しさに顔を引きつらせる。
図星だったのだ。
男達の視線をまともに受けて、恥ずかしさとともに、なにやらむずがゆさを感じていたのだ。
それにしても、なんという敏感な身体なのか。玲子はそんな自分を恨めしく思った。
「これが邪魔だな」
総髪の男が玲子の性器のまわりにぎっしりと生えた剛毛を指でつまんで引っ張った。
「きれいにしてやれ!」
「どのように?」
「そうだな、生まれたときに戻してやれ」と総髪の男がいうと、竜造は得心して、
「わかりました、そのように」と請け負う。
そしてクククという気持ちの悪い笑い声をあげた。