一万一千本の鞭①
(一)
繰り返し続けられた言葉嬲りで、玲子の理性は木っ端微塵に砕け散った。もうどんなに恥ずかしいことでもいえる。この地獄から逃れるためにはなんでもでしようと思った。だが、この地獄から逃れることが、とめどなく繰り返される無間地獄のほんの入り口であることに、玲子はまだ気づいていない。
吊り上げられた足を床に下ろした結果、身体の苦痛は確かになくなった。ところが、その代わりにすっかり忘れていたはずの淫らな炎が身体の中で燃え盛っていた。
その炎を消すために、汗と涙にまみれた顔で、玲子は腫れあがって熱を持ち、白い泡を含んだねっとりとした体液を吐き出している性器へ刺激を加えて欲しいと必死になって頼み込んでいた。
「果たして、従順な奴隷として勤めあげられるかな?」
そういいながら総髪の男が近づいてきたが、身体には触れようともしない。
「なんでもします……奴隷として、どんなことでもします」
「そうかな? 口先だけだろう」
「そんなことはありません。な、なんでします……ですからぁ……ですからぁっ!」
玲子はうわずった声を上げながら、身体をくねらせる。
「おマ〇〇を弄って! 狂いそう、狂いそうなの、ね、なんとか鎮めてくださいっ! ねぇっ、旦那様のモノでおマ〇〇を突いて……お、お願いっ!」
そういうと、玲子は腰をぐいっと前に突き出す。無毛の恥丘が太陽の光に曝され、唇がパクリと開いて中の肉まで露わになった。
「旦那様、この女、自分から誘っておりますぞ。なんて淫らな奴だ」
竜造があざけりの言葉を吐きかけ声を出して笑うと、さすがにそれで傷ついたのか、玲子が恨めしげに竜造を睨んだ。
「さあ、どうするかな? 従順な奴隷になるなら、少しは願いをかなえてやってもいいが」
総髪の男の言葉で玲子の顔に喜色が浮かんだ。
「あ、ありがとうございます……、ありがとうございます!」と一気に礼をいう。
やっと、この炎を抑えることができる。
目から止めどなく涙が溢れてきた。それは顎を伝い、顎の処にたまり、そこからポタポタと乳房に落ちた。
「では、腰をもっと突き出せ」
竜造が強い調子で命じる。
玲子は充血して大きく膨れ上がった性器を前に押し出す。
ぱっくりと花が開いて、蜜が滴った。
総髪の男の手がその方向にゆっくりと動く。
来る!
玲子はそれを迎えるようと、さらに性器を突き出した。
だが、指は玲子の期待を裏切って、太腿に触れて止まる。
指は汗ばんだ皮膚の上でじっとしたまま動こうとしない。
どうして? どうして? ああ、早くして、早く私の中にその指を突っ込んで!
そう願いながら、少しでも指を性器の近くへ移動させようと腰を動かした。
だが、男の指はそんな玲子の動きを無視して、依然、静止したままである。
玲子はハアハアと熱い息を吐きながら、身体をくねらす。
すると、やっと男の指が動き始めた。
ああ、これでいいわ。すぐに私の中に入ってくる。
だが、玲子の期待通りにはいかない。太股から上に指はツーゥと動いて脚のつけねの辺りでまた止まってしまう。そして、また動いたかとおもえばすぐ止まる。止まったかと思えばまた動き出す。
その指の不規則な動き、それは隠微な愛撫となって、玲子の情欲をいっそう搔き立てる。
いつまでこんなことが続くの。これでは蛇の生殺しよ。
「あんまりです」
堪らず、玲子が声をあげた。
「じらさないで! おマ〇〇を……おマ○〇を弄って下さい」
「ふふふ」
「お願い、お願いです。はやくして……」
「まあ、そんなにせっつきなさんな。これはこれで、いい気持ちだろうが?」
指を這わせながら、総髪の男がやさしく訊いた。
「……」
玲子は唇を噛んで、男を睨む。
その時、「答えるんだ!」と竜造の平手が頬に飛んだ。
「ええ」
玲子はしかたなくそう答え、すぐに「どうかお願いですから……おマ〇〇を弄って下さい」と悲痛な顔で頼むのであった。
「それなら自分で腰を振って、アソコが指に触れるようにしてみろ」
「は、はいっ!」
指の方向に性器を近づけようと、玲子は必死に腰を動かす。
玲子はもう男達のいうが儘なのだ。
だが、必死に努力しても、いっこうに望むような結果にはならない。