思いがけない贈り物⑦

つぎは上半身だ。布地を上に引っ張り上げて乳房を隠す。

上部に黒い細紐がついていて、これを首にかけて吊り下げるようになっている。

わっ、胸元が大きくえぐれている。

布の量が極端に少なくて乳房の半分以上が露出してしまう。側面も乳房が露わだ。

乳房の中央部のみがわずかに隠されているだけなのだ。うまくしないと乳首が見えてしまう。さらに困ったことに、生地が薄いために隠したはずの乳首の突起が外からはっきりと分るし、乳蕾の大きさも手に取る様に見えてしまう。乳房だけではない、腹部も臍の下、十センチくらいまで大胆にカットされている。

振り返って鏡を見る。

背部、臀部も大きくカットされていて、尾てい骨の辺りまでの素肌が丸見えだ。

ウエストのあたりを横紐で絞っているが、透明な材料をつかっているので何も無いに等しい。

つまり乳首や局部を隠してはしているが、ほとんど裸なのである。

私はなるほどと合点した。

 大胆なパンティはこのドレスに合わせて、下着が見えないように、素肌が隠れてしまわないようにデザインしてあったのだ。

黒いチョーカーを首につけてみる。

中央に金色のリングがついていて、まるで犬の首輪のようだ。

最後に、真っ赤なハイヒールを履く。

十五センチのヒールだとほとんど爪先立ちだ。

鏡に映し出された自分の姿をじっとと見つめる。

なんという恰好だ!

胸と背中を大胆に露出させた深い赤色の妖艶な薄手のドレス。生地が肌に食い込んでいる。翼端に短いスカートからは黒ストッキングの端とガーターがはみ出し、同じく黒の首輪風のチョーカーが卑猥さを強調させている。

間違いなく娼婦の格好だ。

いや、娼婦でもこんな恰好はしないだろう。

こんな姿で夜、ホテルの男を訪れる。これでは、まさしく娼婦そのものではないか!

それも七時というまだ人の眼の多い時間にだ。さらに、クラウンホテルといえば……

 東京でも有数の超高級ホテルじゃない!

 こんな恰好で、こんな恰好でそんなところにいけるか!

私は啓太が何を考えているのかわからなくなった。

金曜日は明後日である。

 どうしよう、どうしよう、どうしよう!

私は困惑のあまり、しゃがみ込んでしまった。

  • 筆者
    office-labyrinth
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