私のやさしい調教師③

 (二)

【除毛】 黒鬼の手帖から

除毛の歴史は古い。古代エジプトでは体毛は不浄なものとされており、除毛することの方がむしろ普通であった。現在でもイスラム圏ではこの風習が続いている。また、世界的に除毛が娼婦のシンボルとなっている。それは多分に毛虱や病気を客に移さないためと性行為中の陰毛の巻き込み等のトラブルを回避するためであるが、性器を露わにすることで性的興奮を倍増させる目的もあったであろう。

陰毛は下腹部下部のいわゆるデルタ部分、恥丘周辺、性器の周囲、会陰部、肛門周辺に分布しており、デルタ部分をYゾーン、会陰部をIゾーン、肛門周辺をOゾーンと呼ぶこともある。

除毛の方法としては、剃刀で剃る「剃毛」、毛抜きやワックスを用いで引き抜く方法、熱ゴテ、針、炎、レーザー光などで焼き切る方法などが知られている。

この中でもっとも簡便な方法が「剃毛」であるが、すぐに毛が生えてくること、また切断面が鋭利なため、生えかけときは肌を刺して痛いという問題がある。このため江戸時代の娼婦は毛を線香で焼き切るという方法をとったという。

ワックス除毛はクレオパトラがハニーワックスを使用したともいわれているように、古代からの方法であり、毛を粘着性の高いワックスに付着させて、毛根から抜き取るという原始的なものである。毛根まで引き抜くことが可能だが、毛母細胞が残るので永久脱毛にはならない。

レーザー脱毛は装置さえあれば手軽な方法ではあるが、レーザーでは毛母細胞まで焼き切ることができないため、時間が経つと陰毛が再生してくるのは、剃刀やワックス除毛と同様であるし、実施に際しての抵抗が少ないので、責めとしては推奨できない。

調教面からみて、なんといっても効果があるのはニードル脱毛である。これは毛穴に針を刺し、電気を流して毛母細胞を焼き切る方法であり、完全な永久脱毛が可能である。針を突き刺すということで被験者に恐怖と大きな苦痛を味合わせることが可能だが、毛根一本一本に刺していかねばならず、完遂するのにたいそうな手間と時間がかかるのが欠点である。ニードル脱毛としては、直流針、高周波針、絶縁針などの種類がある。

調教において、除毛は「羞恥責め」に位置づけられる。強制的に除毛し、性器をすっかり露出した身体になることを被験者に十分に知らしめて、大きな羞恥心と屈辱感を与えることがポイントである。従って、プレイ中に除毛状況を見せ、写真撮影などを行うとともに、十分に言葉で嬲るようにすると効果的である。また、除毛後は丈の短いスカートをはかせて性器を衆人の眼に曝すなどして、恥辱感を大いに高めるのがよい……

「黒鬼の手帖」は、このように責めの各項目について、歴史的背景、文化的意味が語られた後、責めの具体的な説明がなされる。はじめのうち、竜造はこの最初の部分が責めとは直接関係が無いので、不要ではないかと思っていた。だが、最近は、責めるという行為自体、人間の根源をなす部分であって、古い歴史があり、いろいろな形に発展を遂げているのだから、それを理解することはより効果的な責めを工夫する上で必須であると思うようになってきた。

「黒鬼の手帖」はさらに具体的に責めの方法について述べていく。それに、竜造は責めを行ったときの備忘録を書き込んでいた。

 

A子(三二歳・主婦):太い直流針を使用。痛みを訴え暴れたので、動きかが取れないように椅子に固定。針が恥丘を過ぎてクリトリスの周辺に来たとき、意図的に電圧を上げ、時間も長めにとった。大声で痛みを訴えはじめる。それを無視してじっくりと嬲る様に針を突き刺していく。声が次第に弱くなっていくのが気になったが、針を刺し続けると、顔面からすっかり血の気がなくなり、息が荒くなり、ついにはショック状態に陥った。このため施術を中止し、頬を叩いて正気に戻す……。

D恵(二○歳・学生):除毛した上で、超ミニスカートをはかせて電車の中に連れ込む。席に座らせ、少し離れて観察。よほど恥ずかしいのかD恵は震えながら、太股をしっかりと合わせている。脚を開くように指示を送る。D恵は泣きそうな顔をして脚を開く。さらに、「前の男に見られているぞ」と脅す。さらに指でラビアを開くよう指示を出した。D恵は座席にシミができるほどすっかり濡れてしまったと後で証言している。

  • 筆者
    office-labyrinth
« »

サイトトップ > 小説 > 遠山ケイ > パーフェクト・スレイブズ > Ⅰ奴隷への道 > 私のやさしい調教師③