第三話 電車通学①
私は薄いベールに包まれている。その外側で、先ほどからなにやら声がしている。私は消え入ってしまいそうな意識をなんとかその声に集中させようとした。よく知った声だ。
「ん!」
聞き慣れた声。そのはずだ。私の声だから。
何か叫んでいる。
次第に声が明瞭になってくる。
「おはよう! おはよう! 早く起きないと……」
どうも後半がはっきりしない。さらに意識を集中させる。
「おはよう! おはよう! 早く起きないと、お母さんにカンチョウされちゃうぞ!」
今度は聞こえた。
枕元の目覚まし時計が叫んでいるのだ。
文字盤を見ると、もう八時!
いけない。遅刻だ!
私は慌ててベッドから跳び起きた。
私は三段階で目覚ましをセットしている。
七時半に普通の「おはよう」という呼びかけ、それでダメなら七時四五分に「起きろ! 起きろ! 遅れちゃうぞ」という警告。そして、最後に先ほどの恐ろしい恫喝だ。
急いで制服に着替えて、カバンを掴むと、ダイニングに入って、「おはよう!」と声をかけた。
お父さんがテーブルで新聞を読んでいる。顔をちょっと私の方に向けただけで、すぐまた新聞に戻ってしまった。
義母の敏江さんが出てきて、
「寝坊ね。ご飯は…?」と冷たく聞いた。
「とても無理! 遅刻しちゃう」と慌てて答える。
お義母さんは、急に目を吊り上げて、
「なんて娘なの! もっと早く起きなきゃいけないって、いつも言っているでしょう。せっかく、ご飯作って待ってたんだから」と強い調子で言った。
「ごめんなさい……」
私は謝ったが、お義母さんの怒りは収まらない。
「なんか食べていきなさいよ」
お義母さんはしつこく言う。でもそれじゃあ、遅刻してしまう。
「遅刻しちゃうからいいよ」と、いって側を通り過ぎようとすると、お義母さんは私の身体を押さえて、
「お父さん、新聞ばかり読んでないで、玲子を押さえていてよ!」と叫んだ。
お父さんは渋々新聞を置いて私の方に歩いてくると、私の身体を抱きかかえ、椅子に押さえつけた。
「そのまま、押さえつけておくのよ……」
遠くでお義母さんの声。
しばらくすると、お義母さんが戻ってきた。
お義母さんは私のスカートをめくり上げ、パンティに手をかけてずらす。そうして、私の脚を無理やり開いて、お尻の穴の周り、それから穴の中にも指を突っ込んででなんか塗りつけている。
身体を動かそうとするさと、お義母さんが、「もっとしっかり、押さえつけておかなきゃ、ダメじゃない」とお父さんを叱った。
「マーガリンよ、滑りを良くするためにね……」
お義母さんの楽しそうな声を聞いて、ああ、まただ。お義母さんは私の後ろの穴の中に、マーガリンをたっぷり塗りつけているんだと、ゾッとした。
私、トーストじゃないわよ!
さらに、お義母さんは私の目の前で牛乳がたっぷり入ったガラス浣腸器を振って見せた。
「さあ、いくわよ」
私の穴の中にその先を差し込む。
「うううーっ……」
私は思わず呻き声を上げた。冷たい感触がおなかの中いっぱいに広がっていく。
「イチジクも一本、入れておいてあげるね」
お義母さんは、そういうとプラスチックの容器を押して、中のグリセリン液を私の中に捻り出した。
冷えた牛乳とイチヂク、これが今日の私の朝ゴパンだった。
これで、遅刻は間違いなし。駅でトイレに駆け込み、お腹の中の物を排泄するのに少なくとも二十分はかかるのだから。
どうか、今日はトイレが空いています様に、と私は祈った。でも、今日はいつもと違った。イチジクで解放されると思っていたら、さらにお尻に違和感を感じたのだ。
「な、なにをしているの?」
「お尻に栓をするの。いいもの買っといたのよ。ちょっと! 身体の力を抜きなさいよ。力を入れたら入らないじゃないの」
「いや! やめてよ……」
「お父さん、しっかり押さえていて」
お義母さんは力を込めて、私のお尻に何かねじ込んでいる。
肛門が開ききっている。
私のお尻の穴は大分大きなものを受け入れる事が出来るまで訓練されているんだけど、今日のは、いままでになく大きい。
「痛いよう……お義母さん、止めてよう……」
私は泣いて頼んだ。でも、お義母さんは力を緩めない。
「痛い…!」
酷い痛みが襲ったが、そこまでだった。どうやら私はそれをなんとか飲み込んだようだ。
お義母さんは一息ついて、革ベルトを私のウエストにきつく絞めた。
「貞操帯よ……しっかりしているでしょう。ワイヤーが入っているの。ちょっとやそっとでは切れないわ。高かったのよ。カギもしっかりしているでしょう」
「なにをするのよ……」
私は食ってかかった。
「今日は一日、これを付けて過ごすの。苦しいわよね。排泄できないなんて。でも、オシッコは大丈夫。この穴からできるから……」
お義母さんは股を固定しているベルトの穴に、爪楊枝を突き入れ動かした。それは私の尿道口に突き刺さり、私は大きな叫び声を上げた。
「ふふふ……ごめんね。じゃあ、これでよし。カギは家に帰ったら開けてあげるわね、学校へ行って来なさい。寝坊するとどんなに苦しいか、一日経験するのね」
私はスカートの下は貞操帯だけという姿で、玄関から放り出された。ガシャというドアにカギをかける音が冷たく響いた。