エロスの涙が滴る⑥
(二)
【言葉嬲り】 黒鬼の手帖から
文字通り、言葉で被験者を嬲る責めである。直接、手を下さず言葉だけで辱めを与える。「羞恥責め」に分類される。すべての刺激は脳で処理されて快感を認識するので、言葉による刺激だけで被験者をオルガスムスに導く事も可能である。
大まかには、「聞かせる言葉嬲り」と「言わせる言葉嬲り」に分類され、前者は被験者の恥ずかしい格好や悶え苦しんでいる様などをいやらしく表現して聞かせて羞恥心をあおる。一方の「言わせる言葉嬲り」では、被験者に正気ではとてもいえない言葉を無理にいわせて羞恥の極地に落とし込む。被験者が責めを懇願したとしても、すぐにそれを行ってはならない。執拗に言葉で焦らしに焦らし、極限状態を越えたところで責めれば、もっと強い責めを懇願するようになる。これを何回も繰り返すうちに、「羞恥心」より「快楽」を求めるようになり、張り巡らしていた自我の壁を崩壊させることができるようになる。
熱い――身体がメラメラと燃え始めていた。口の中がカラカラに渇いている。皮膚がとても敏感になっていて、何かが身体中を這い回っている様に感じる。さきほどまでの陰部の痛痒感が甘く痺れるような感覚に変化している。強い衝動に胸の奥が突き上げられる。明らかに身体が何かを欲しがっていた。
このままではダメだ。
アソコが疼く。愛液でぐじゅぐじゅになって、もの欲しげに口を開けている。そこからよだれが垂れ下がり、太股を伝っていくのを感じる。
たまらない。たまらない。これ以上ガマンできない――。
最初のうちは縄による責めが苦しくて股間の痒みを忘れていたが。次第に、塗られた薬が引き起こす身体の変調が縄の責め苦をしのぐようになってきた。苦しいというわけではなく、性欲が昂進してギラギラとした欲情が全身を駆け巡っているのだ。
あきらかに身体が男を欲しがっていた。
燃えたぎる肉壺の中に固い肉棒を突っ込んで、掻き回して欲しいと思った。
太くて固いものを咥えたい。
アソコが張り裂けるほど大きなものを奥まで入れて、ぐいぐいと突いて欲しい。
それぐらいしないとこの焦燥感は収まらないと玲子は思った。
ハアハアと息をつき、玲子は苦しそうな顔を竜造に向けた。
「お、お願い……」
「どうした?」
「あそこ……」
玲子は眉根を寄せて辛さに耐える。少しでも気を緩めると崩れ落ちてしまいそうだ。