エロスの涙が滴る⑩
「おねがい……おマ○○を……弄って……」
小さな声だった。いかにも恥ずかしそうに女はいった。
これでいい。竜造は術中にはまっていく哀れな女を見てほくそ笑んだ。
さて次だ。いってしまったことを後悔している顔だ。奴隷契約を結んだとはいえ、男達のいいなりなるのは耐え難いのだろう。だが、もとへは戻れない。これでよかったと今度は自分にいいきかせるだろう。これでどんどん膨れ上がる性欲にはけ口が与えられ、苦しみから解放されると自分を納得させている。
だが、そういうわけにはいかない。
「聞こえましたか、旦那様?」
「いや聞こえなかった。歳を取ると耳が遠くなってなぁ……もっと大きな声で言ってもらおう」
「オイ、蚊の鳴くような声では旦那様には聞こえない。もう一度、やり直せ!」
そういって竜造は女の顔を見た。
困惑した表情だ。恥ずかしさを堪えて、やっとのことでいったのに、それでは不十分だというのだから。
おや表情が変わったぞ。唇を一文字に結んでいる。心が決まったのか?
女が顔を上げた。観念した顔だ。
「おマ○○を弄って下さい」
大きな声だった。これでいいのだろうとこちらを睨んでいる。
「今度は聞こえた」と旦那様がいう。
女が安堵の息をつく。
「聞こえはしたが、いったいなんの事だ?」
「えっ?」
旦那様の予想外の言葉に女が困惑した顔つきになった。混乱している。この表情が堪らないと竜造は思った。
「とんとわからん。なにをしてもらいたいのか、どのようにしてもらいたいのか、伝わらんぞ!」
全否定に対する女の反応を竜造はじっと観察する。
哀しげに唇を噛む。
「ダメなの……」
苦しそうな顔をしている。身体が震えている。クスリが身体中をかけめぐっているのだろう。どんどん言葉嬲りを続けよう。それもたっぷりと時間をかけて。
「ダメだ。なにをして欲しいのかはっきりと旦那様にいわない限りこのままだぞ!」
竜造はできるだけ冷たい口調でそういった。
「どういったらいいのかわからないのっ! 苦しいのです、こんなに苦しいのに……」
少し糸口をやろうかと竜造は思った。
「具体的にいうのだ」
「具体的って?」
「どこをどのようにして貰いたいのか具体的に説明してみろ」
女が唇をかむ。泣きそうになっている。
「わ、わかりました」
女は顔を上げた。そして一気に、「おマ○○を指で弄って下さいっ!」と叫んだ。
間の抜けた答えだ。
「ハハぁ、儂の指でおマ○○を弄って欲しいのか」
女がコクリと頷く。安堵の表情が女の顔に浮かんでいる。
「だが誰のおマ○○なんだ?」
旦那様が焦らしにかかっている。
「……」
「誰のかいわんとわからんじゃないかっ!」
「わ、私のです」
「私とは誰のことかな?」
「もうやめて、外に誰がいるのよ。私よ、この私です!」
竜造が女の頬をピシャリと平手打ちした。
「奴隷の分際で、なんというぞんざいな口をきくのだ! もっと丁寧に答えろ!」
「す、すみません。私のおマ○○です」
「だから、どの私かな?」
「い、岩室……玲子です」
「そうか玲子のなにをどうすればいいのだ?」
「ああっ、もう!」
今度は往復ビンタだ。女は泣き出した。鼻水が出ている。
「玲子のおマ○○……玲子のおマ○○を指で弄って……ください」
ヒクヒクとしゃくり上げながら女は答えた。
「そうか、そうか、よくわかった。では、玲子のおマ○○を弄るのだが、どのようにすればいいのか? ちょっと指で触れるだけでいいのか?」
言葉嬲りがいよいよ本格的になってきた。