きらめく夜の一部始終①
(一)
啓太の部屋に来てから、だいぶ時間が経っていた。
私はかなり酔っていた――お酒とともに、啓太の甘い言葉にも酔っていた。
食事が終わると啓太は片付けに入り、私はソファーに座って啓太が集めたというジャズのアルバムを聞いていた。
さきほど啓太がインセンス(お香)に火を点けたので、とろける様な甘い香りが部屋中に満ちている。片付けものが終わって啓太が隣に座ったときには、私はすでに夢見心地になっていた。
身体が引き寄せられ、髪がやさしく撫でられる。我に返った私は自分がどういう状態かを悟ってあわてて身体を引いた。
「私、帰らなくては……」
でも、そういい終わらないうちに強く抱きしめられた。
啓太が顔を寄せてきた。そして、うっとりとした永遠にも思える時間……私は唇を吸われていた。
「今夜は離さないから。いいよね」
耳元で囁く声。抗うことのできない調子。
この声を振り切って家に帰るか、それとも、このまま身を委せるか?
どちらを望んでいたのかよくわからない。
いえるのはとても混乱していて、「でも……私……」というのが精一杯だったこと。
「貴女は素敵な人だ。好きだ。だから、今夜はずっと一緒にいて欲しい」
その言葉が心に響き、そして私は、魔法をかけられた様に動けなくなってしまった。
耳たぶが噛まれる。
ブラウスのボタンがゆっくり外される。
あっと思ったときにはすでに前がはだけ、肩が剥き出しになっていた。
首筋から肩へと唇が這う。啓太の骨張った手がブラジャーの上から私を優しく愛撫している。
「好きだ――貴女は僕のものだ」
薄布と肌の隙間に手が入りこんみ直に乳房に触れた。
冷たい手の感触。乳房が揉みしだかれる。
乳蕾が指で弄ばれる。
痺れる様な快感。
「ほうら、もう、こんなに固い……」
そう、私の乳首は恥ずかしいくらいに勃起し、少し触れるだけで身体がビクッと反応してしまう。
私はめくるめく世界の中。
俊介の一方的なセックスとは全く違う!
「わたし……わたし……」
コントロールが効かなくなって、燃え上がってしまうのが怖い。
理性と感情の間で私は混乱し、無意味な言葉を繰り返す。
「全てを僕に任せて――」
私は啓太を見つめた。顔が近づいてきて、再び唇を吸われた。
口の中にまで舌が入り込んでくる。その中で舌は生き物のように動き回り、私の舌にも絡みつく。
「ああーっ」
身体を引こうとするが、がっしりと抱きしめられている。
だらしなく半開きになった唇。
その口がまた唇で塞がれる。
やっと啓太が唇を離した。たまっていた唾液が溢れて、糸を引いて垂れ下がり乳房を濡らす。
「いやらしい唇だね。こんなにたくさん涎を吐き出して」
啓太は私の口元に付着している唾液を音立てて啜る。
私は頭の中が真っ白になった。
熱いものが顎から頸筋へと下りてくる。
スカートがたくし上げられる。
パンティストッキングが押し下げられた。パンティ越しにあそこがやさしく愛撫されている。
「湿っている。どうしたんだい?」
パンティが膝のところまで一気にずり下ろされた。
叢が撫でられている。秘めやかな場所を彷徨っている。
「濡れてる――そんなに感じているのかい?」
イヤイヤと顔を振り、ついに堪えきれず私は啓太にしがみついた。
「今夜は帰さない。いいね――」
耳元で啓太がまた囁いた。
私はコックリと頷いた。