イリスの涙
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アレクサンドロス戦記(四)プロローグ④
外が騒がしくなった。複数の足音が近づいてくる。 「イリス様……わたし、こ、こわいっ……」 コリーナがイリスにしがみついた。 「だ、大丈夫よ……シッ……声を、出さないで」 イリスは声を潜めてそう言う…
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アレクサンドロス戦記(三)プロローグ③
外がなにやら騒がしい。イリスは、今朝はいつもと何かが違っていると感じた。 耳を澄ませた――遠くで声が聞こえる。複数の声だ。聞き慣れたソロンの声に、太い粗野な声が混じっている。 カッカッと駆ける音…
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アレクサンドロス戦記(二) プロローグ②
イリスは簡素なベッドの上で眠りから覚めた。 腕を頭の上にあげて大きな伸びをし、途端に寒さを感じてブルッと身体を震わせると、肩まで上掛を引き上げた。 腰の辺りに夕べの重い疲れが残って…
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アレクサンドロス戦記(一) プロローグ①
プロローグ イリスの涙 デルファイ BC三三四年冬 パルナッソス山の頂きから冷気が斜面を下りてくる。ゴツゴツした山肌には背の低い常緑樹が這いつくばり、わずかな水を求めて岩の割れ目に精一杯根を伸ば…
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