イリスの涙
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アレクサンドロス戦記(十四)プロローグ⑭
「イリス、大丈夫か!」 ソロンはイリスのもとに駆け寄った。なんとか鼎からイリスを解放してやりたい。イリスを拘束している縄を解こうとする。足首を縛っている縄が解けたが、だが、腹の部分の結び目が固くて…
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アレクサンドロス戦記(十三)プロローグ⑬
服が破れて、上半身がすっかり露出し、胸から腹にかけて血でべっとりと汚れている。 「なんということだ!」 ソロンは呻いた。 イリスは腰と両方の足首を縄で鼎に縛りつけられていたが、手は拘束されておら…
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アレクサンドロス戦記(十二)プロローグ⑫
神殿に静寂が戻った。 大きな揺れはそれほど長くは続かず、揺れ戻しも来なかった。 ソロンは祭壇の前にしゃがみこんでいた。イリスが連れ去られ、コリーナが殺された。それからしばらくして、アレクサンドロ…
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アレクサンドロス戦記(十一)プロローグ⑪
髭面の男がまだそこに残っていた。 男は部屋にある宝物類をひとつひとつ手に取っては値踏みしている。 その時、イリスは足音を聞いた。 ――誰かやってくる! あの男がまた戻って来るのかとイリスは怯…
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アレクサンドロス戦記(十)プロローグ⑩
「く、くるしいっ!」 イリスはもがいた。だが、縛られているので思うように身体が動かない。革紐がどんどん喉に食い込み、息が出来なくなった。 イリスは力を振り絞って、しゃがれた声を上げる。 「……まっ…
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アレクサンドロス戦記(九)プロローグ⑨
神殿の地下の至聖所では、イリスが三本の長い脚を持つ鼎の上に縛りつけられていた。 その周りをアレクサンドロスとペルディッカス、そして数人の兵士達が取り囲む。 神託の言葉を記録するためにフローフテス…
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アレクサンドロス戦記(八)プロローグ⑧
ソロンとイリスはなかなか結論が出せないでいた。ソロンはこの神託所の運営を司る者ではあったが、これまで綿々と護り続けられてきた掟をきっぱりと打ち破って、アレクサンドロスに従うことに躊躇していた。まして…
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アレクサンドロス戦記(七)プロローグ⑦
若い男が現れた。 「なんとも小賢しいことを言うではないか。手続きを踏んでも、踏まなくても結果は同じであろうが?」 ソロンは一瞬、男が何を言っているのか分からなかった。 「どういう意味です?」 「ペ…
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アレクサンドロス戦記(六)プロローグ⑥
男の顔が歪んだ。 「そっちの男も同じ事を言った。この季節には神託所は休みだと。だが、そんなことは俺たちには関係ない。神託などいつでも出せるだろう。早く準備をして欲しい」 イリスは背筋をキリッと伸ば…
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アレクサンドロス戦記(五)プロローグ⑤
髭面の男がコリーナを担いで先を行く。剣先を背中に当てられたまま、イリスがそれに続いた。町には人影がなく、鳥の声しか聞こえない。毎朝、顔を見せるあのおせっかいな隣の女が、今日に限っては外に出てこない。…
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