恥ずかしい夜⑥
2023年05月18日
ああ、なんということだろう! これでは乳首や乳蕾まですべて見えてしまう……
恥ずかしさのあまり頬が紅潮し、何がなんだか分からなくなった。ワインや食事が次々と運ばれてきたが、とてもそれどころではなかった。
最上階のレストランでは素晴らしい夜景を楽しみながら、多くの若いカップルや中年の夫婦がイタリア料理に舌鼓をうち、楽しげに談笑していた。しかし、その中の男たちはパートナーの目を盗んではチラチラと好色な視線を私に寄せていた。
私は男たちの目をずっと意識していた。
裸同然の大胆な姿で、公衆の面前に晒されているのだ。身体全体が羞恥に燃え上がっていた。
嫌だ、乳首が立っている!
ドレスの布地を突き上げている乳首が見えた。熱い疼きを抑えようとしても抑えられない。
啓太はよく食べ、よく飲み、よく話した。だが、私は啓太の話を聞くどころではない。ただ、相槌を打っていた。
早く部屋に行きたい!
そこで啓太に抱かれたい!
この燃え上がる身体をなんとかして欲しい!
料理の皿が片付けられ、コーヒーが運ばれてきた。啓太は、「ちょっと、ごめん」といって、席を立ち、店の奥に入っていた。
きっと、トイレに行っているのだろう。私は苦いコーヒーをすすりながら、彼の帰りを待った。
十分が経った。
テーブルのそばに誰かが立った。
遅かったじゃないと、いおうとして顔を上げると、啓太ではなく、先ほど席に案内してくれた黒服の男だった。
「お連れ様がこれをお渡しするようにとの事でした」と紙切れを差し出す。
受け取ったメモを見て、私は目を見張った。
それは啓太の見慣れた筆跡だった。
「部屋で待っている 啓太」