第一話ミッキーマウス②

2019年11月04日

京子ちゃんは私の割れ目を口にして、横になったミッキーマウスを描いていた。真っ赤なマジックで唇のところを塗ったから、どっちかというとミニーちゃんかな。ちょっとへんな感じだったけど、うまく描けていた。
健太君が制服のお腹の隙間へ手を突っ込んできて、私のちょとだけ膨らんできた胸のお肉をぐにゅっと掴んだ。私はびっくりして、身体を動かそうとした。その拍子に下の口が動いたのだろうと思う。みんなが、「わあっ、ミッキーがしゃべっている」といったから。

私のまわりに円陣ができていた。
そこに担任の白石先生がやって来た。白石先生は社会の先生で、ちょっと怖い。先生が、
「みんな何をしているんだ。もうお昼休みも終わりだぞ!」と叱ると、みんな、あわてて席に戻ろうとして、円陣がくずれた。
「お前たち、何だあっ!」
白石先生が円の中に入ってきて、私を見た。
先生がやって来たので、この遊びも終わりだと思って私はホッと息をついた。

千恵ちゃんが、私のアソコを指さして先生にいう。
「玲子ちゃん、まだ毛が生えていないんです。みっともないので、京子ちゃんに頼んで絵を描いてもらったところなんです。ほらっ、ミッキーマウス、うまく描けてるでしょ。先生」
白石先生はじっと私のアソコを見つめている。

先生はなんていうのかな? きっと京子ちゃんを叱るんだ――と、思ったら、
「さすが京子だな。芸術作品になってる」と、白石先生がほめた。
どうして? どうして? どうしてなの?
「先生、何とかしてください!」と私は訴えたけど、白石先生は、
「いい絵を描いてもらって、玲子は幸せだな」と笑うだけ。
先生、どうしてそんなことをいうの? こんなことをしちゃダメだとみんなを叱ってよ。
白石先生は、笑いながらみんなに向かって、信じられないことをいった。
「もったいないから、みんなで鑑賞しようや」
先生は私を教壇のところまで運ぶように男の子たちに指示した。
先生、あんまりよ。あんまりだわ。私は思わず泣き出してしまった。
私が泣いているにもかまわず、健太君が胴体、マサル君が左脚、さとし君が右脚を持って、先生の指示に従って、私を教壇のところまで運んだ。
イヤだ。イヤだ。イヤだよう。
教壇の横に椅子を二つ並べて、私はみんなの方を向いて寝かされた。股が開くように片方の脚をあげて、縄跳び用の縄で椅子に縛りつけられた。
私は泣きじゃくる。
「やめて、やめてっ!」と叫ぶけれど、白石先生は、
「これで、ちゃんとミッキーマウスに見えるなあ。京子、うまいもんだ」と感心している。
それから、白石先生の授業が始まったんだけど、みんな黒板より、私の股間のミッキーマウスばかり見ていた。

どのくらい経ったかしら、私はオシッコがしたくなって、白石先生に、
「先生、縄を解いてください。オシッコに行きたいんです」と頼んだ。そしたら、先生は授業前に行っておくべきだ、授業中は授業に集中すべきだといって、全く取り合ってくれない。
とてもガマンできなくなってきて、
「先生っ、もうダメなんですっ!」と、訴えたけど、先生は聞いているのかいないのか、あいかわらず面白くない授業を続けている。
もうお腹がどうしようもないほど痛くて、とても耐えられなくって、なんということだろう、私はついにお漏らしてしまった。
脚をあげているので、オシッコは横の方へ飛んで行く。
ずっとガマンしていたものを出す時の気持ちよさといったら。ザーッという音が聞こえていたけど、私はひたすら放尿の恍惚感にふけっていた。気がついたら、教室がざわついていた。
「玲子ちゃん、オシッコしちゃった」と京子ちゃん。
「教室でするなんて、信じられない」と冷静にいう千恵ちゃんは、やっぱり学級委員だ。
「クセー! クセー!」と鼻をつまんで、おどけているのは、お調子者のマサル君だ。
白石先生は真っ赤な顔をして、ブルブル震えてる。ずかずかと私のところにやって来て、まくし立てた。
「なんて子だ。教室に小便をまき散らして、どういうつもりだぁっ」
「ゴメンなさい――ガマンができなかったんです」
「だから、授業の前に行っておけといったろう」
「ゴメンなさい――」
私はひたすら謝る。それしか、この場を収める方法が思いつかなかったから……。

白石先生は私の脚の縄を解いて、床に正座するように命令した。私がいわれたとおりにすると、さらに手を前についてお尻を持ち上げさせられた。
先生がクツを脱ぐ。何をするんだろう?
先生はクツを手に持った。腕を大きく振りかぶる。
クツで私のお尻を撲つのだと分かった。私は身構えた。ビュンとクツが飛んできて、お尻の肉に当たった。バチッという大きな音がした。どうしてクツなんかでお尻を撲つの? きっと、手でやると痛いと思ったのだろう。バチッ、バチッという大きな音が続く。私は歯を食いしばって痛みをこらえた。
「悪い子だっ! 悪い子だっ!」
と、ハアハア息をつきながら、私のお尻を撲ち続ける。私は、「ゴメンなさいっ! ゴメンなさいっ!」と謝り続けた。
十回ぐらい撲ったところで、先生の怒りも収まってきたようだ。そこで、チャイムが鳴って授業時間が終了。
クラスのみんなは私たちの様子をじっと見つめていたけど、チャイムの音でいっせいに教科書やノートを片づけ始めた。だって、次は体育の時間で、運動着に着替えなければいけなかったから……。
白石先生はちょっとバツが悪そうにクツを履くと、「きれいに床を掃除しておくんだぞ」といい残して、教室を出て行ってしまった。

  • 筆者
    office-labyrinth
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