第四話 祭り⑮
(五)
ズントコ……ズンズン……トコトコ……ズンズン
いつの間にか、太鼓のリズムがけたたましいものに変わっていた。群衆の歓声が聞こえる。祭が始まったようだ。お堂の遣り戸が開け放たれていて、外の音が良く聞こえる。外に置かれた松明の揺らめきで、部屋の中の影が揺れていた。私とお堂の入り口との間には、御簾が垂れ下がっていて、外から中の様子は窺えない。私がこんな格好で繋がれて、お尻とアソコに巨大な張り型を突っ込まれて腰を振ってヨガリ狂っているところは外からは見えない。
祭りは子供の時に見たことがある。下帯ひとつの裸の男たちが、境内を太鼓のリズムに合わせて、ユーモラスに練り歩くのだ。この太鼓のリズムはその時のものだ。
突然、太鼓の音が変わった。
今度は、ズン……ズン……ズンと、ゆっくり音を刻み出した。群衆のどよめきが聞こえる。
「ヨー、頑張れや」と、声がかかる。
ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド……
太鼓が連打を始めた。神札の争奪戦が始まったのだ。
子供の頃の記憶では、長さ三メートル、太さが五十センチはある大きな木の棒の先に、神札が取り付けてあって、その棒に登ってお札を奪い取るという行事だった。変わっているといえば、その棒と言うのが男性のシンボルそっくりなのだ。棒を登ろうとしている男を、他の男が引っ張り下ろす。高さのあるところから落ちると怪我をする。打ち所が悪いと死に至るかもしれない危険な競技であった。男たちの熱気で汗が飛び散る。そこへ観客はバケツで水を掛けた。寒気の中に白い水蒸気が湧き上がる……。
大きな歓声が起こった。どうやら勝負がついたらしい。
私はこの競技の勝者と交わるのだろうか……?
先ほどから、張り型がさらに太いサイズに交換された。お尻の穴が直径五センチ、前の穴は直径十センチを飲み込んでいる。そんな状態でも私は快感の渦の中にいた。あんな巨大な張り型が私の中で前後運動を繰り返しているのだ。括約筋が自然に動いて、張り型を動かしている。
不思議だ。巨大な二本の張り型が無残にも私の中で自在に動いて、膣と直腸にある無数の性感帯を刺激している。私は次第に刺激に敏感になっている。快感がどんどん増幅されている。
私は何回もオルガスムスに達し、大声を上げて全身反り返る。そんなことを何回も何回も繰り返している。
太鼓のリズムに乗って、私は舞い上がり、喜びに咽ぶ中、爆発してバラバラに散っていく。そして、その破片がまた一緒に集まって、私の身体ができあがる。
今までに経験したことのない不思議な感覚。きっと、クスリが効いてきたのだろう。