第一話ミッキーマウス④

2019年11月14日

チャイムが鳴った。体育の時間は終わりだ。みんな教室に引き上げて行くのが見える。
でも、私は鉄棒に下半身をさらしてぶら下がっている。上着のすそが胸のあたりまでずり落ちて、胸が露出しているはずだ。手と脚が繋がれていて、身体を折り曲げられないから、どうなっているかは確認できない。
先生がタオルをはさんでくれたので、最初のうちはヒザの痛みはそれほどでもなかったけど、次第に痛みが増してくる。男の子たちがこんな姿勢から、身体を前にゆすって、回転して着地する遊びをよくやっていたでしょ。あれと同んなじだなと思ったけど、手と脚が縛られているので、そんなことできやしないと思い知った。
誰か助けに来てくれないかな。私はずっと祈っていた。
足音がした。誰かが近づいてきた。さとし君だった。
「さとし君、助けて!」と頼む。でも、さとし君は迷惑そうに、
「そんなことをしたら、僕が先生に叱られちゃうよ。みんなも助けてあげたいと思っているけれど、野本先生、怖いからなあ」
と、いって、私から離れて行った。
いったい、なにしに来たの! 様子を見に来ただけ?
私はがっかりした。さとし君は学級委員で、みんなのリーダーなんだから、私のことも守ってくれてもいいのに。

今度は、マサル君がやってきた。マサル君は意地悪そうに、
「吊り下げられてやんの。いいかっこうだよな」
と、私の身体を揺さぶった。ヒザの裏の痛みが一段と強くなったので、
「やめてよ! マサル君のせいで、こんなになったんだから!」と非難したら、マサル君はむっとしたようだ。上を向いている私の性器をなでて、
「お前、大人はここに棒をさしこんで楽しむって知っとった?」と聞いた。
「そんなこと知らないわよ!」
男の人の性器がアソコに挿入されて、精液がビュッビュッと射精され、オタマジャクシみたいな精子と卵子が結合して、赤ちゃんが生まれるんだってことは先生が教えてくれたけれど、棒をさしこむなんてことはひとことも聞いてない。
「オイラ写真見たんだ。父ちゃんが隠している本に写真が出ていたんだ。チ〇ポに似た棒やまあるい玉をアソコに入れとったぞ。女の人は、嬉しそうな表情をしとった」
「また、へんなの見たのねえ。そんなのいいから、早く助けてよ!」
マサル君は黙っている。そのうちにポケットに手を入れて、何か取り出した。マサル君は逆さになっている私に手の中のものを見せた。赤や青や黄や紫色が見えた。はじめは何かわからなかったけれど、だんだん、それが何んだかわかってきた。色あざやかなビー玉だ。マサル君は私のアソコを触って、割れ目の中に指を入れてきた。

私はマサル君が、何をしょうとしているのかわかってもがいた。
「ね。マサル君、やめようよ。そんなことしたら、先生に叱られるよ」
マサル君の思いつめた表情が逆さに見えた。
「ミッキーマウスに、アメ玉食べさせてやらあ」
マサル君はミッキーマウスの口を指で開いて、ビー玉を押し込もうとしているのだ。
私はマサル君の考えを変えようと、必死になっていった。
「ねえ、ダメだよ。そんなことしちゃ、ね、お願いだから、もうやめようよ」
でも、マサル君は聞いてくれない。
「痛いよう。痛いからやめてよ」
「ダメだよ。女はこんなことをされて喜ぶんだって、さとしがいってた」
「そんなのウソよ! イヤ! イヤ! 止めてぇっ!」
「女のイヤっていうのは、お願い、もっとしてという意味だって。恥ずかしいから、そうはいえないんだ」
マサル君はそういってどんどんとビー玉を指で押し込もうとするけど、なかなか入って行かない。私は、痛い痛い、と叫び声をあげる。マサル君はちょっと考えて、
「ゴメン、ツバで濡らすんだった」と、ひとりごとをいってから、私のアソコに口を近づけて、その上に大量のツバキをたらした。私はアソコがなんか一瞬、温かくなって、すぐに冷たくなってくるのを感じた。
「これで大丈夫だよ。もう痛くないからな」
なんかへんな感じ。確かに痛くない。ツバが潤滑油になっているようだ。
「一個、入った」マサル君はもう一個取り出して、
「何個入るかな、わかる?」と私に聞いた。
「知らないわよ。早くこんなこと、やめようよ」
でも、マサル君は二個目を押し入れて行く。
マサル君は持っていたビー玉を、つぎつぎと私の身体の中に入れて行った。私はもう抵抗しても無駄だと思って、じっとしていた。なんかへんな気持ちだった。

何個入れたのかわからないけど、私のアソコはビー玉で一杯になってしまったようだ。
下半身に力を加えると固いものが身体の中にあるのがわかる。
ゴツゴツしてへんな感触。身体の中のいろんな部分が押されて、刺激されて。なんか身体が熱い。それに、なんか甘い感じがする。初めての感覚。
オヤ? 冷たいものが脚に当たった。何だろう?
雨だ。ホコリっぽい土の臭いがあたりにたちこめている。そういえば今日は夕方から雨の予報だった。ゴロゴロと空が鳴った。あたりがだんだん暗くなる。紫色の空だ。雨が次第に強くなってきた。

「俺、帰るわ、ゴメンな」というなり、マサル君はあわてて走り去って行った。
私は逆さ吊りの状態で、雨の中に取り残された。
脚から身体を伝って水が流れてくる。まくれ上がった運動着も水を含んで重くなってきた。その重さもあって、ヒザの裏がとっても痛い。そうだ、ビー玉の重さもあったよね。
雨足が強くなって、前が見えなくなった。
先生はどうしたんだろう? 私のことを忘れてしまったのかな?
脚が痛いし、ビー玉の入ったアソコはへんな感じだ。
早く誰か助けてくれないかな。私は祈っていた。
脚が本当に痛い。痺れてきたよ。

誰か、誰か、早く、私を助けて!
ここから助け出して!

誰か、
お願い……。

  • 筆者
    office-labyrinth
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