第二話 夜汽車⑤
五
井上さんに抱かれていた時に、車掌さんが見回りに来た。
廊下を歩く足音が聞こえてくる。井上さんは私の口をしっかり手で塞いだ。
やっぱり車掌さんを気にしているんだ、と思ったら、彼は逆に激しく腰を動かし始めたんだ。
カーテン一枚で隔てられただけの空間。
声を出すとすぐに車掌さんに気づかれてしまう。
私は必死になって嗚咽をこらえた。
肉が激しく捩れる。
もうすり切れそうだ。
井上さんのモノは馬鹿でかい。馬並みだ。といっても、私は馬のオチンチンを見た事はない。
最初、これがほんとに私の中に入るかしらと心配になった。
白木さんのように乱暴に扱われたら、私はほんとに壊れてしまっていただろう。
でも、井上さんは優しかった。
巨大なモノをゆっくりと、時間をかけて私の中に埋めた。
陰唇が目一杯拡がっている。
膣が張り裂けそう。
でも大丈夫。女は赤ちゃんを産むのだ。
あんな大きなものが膣を通って出てくる。かなり柔軟性があるのだ。
だから、少々、オチンチンが大きくても大丈夫。
でも、井上さんのモノは「少々」を通り越している。
たしか、お産の時に、膣が裂けるという話を聞いたことがあるのを思い出して、私はゾッとした。
井上さんはいかにも苦労人で、私を十分にねぎらってくれた。
でも、ねぎらってくれたからといって、優しくしてくれたからといって、苦痛が和らぐわけではない。
おそらく井上さんも、余りの大きさに、ずっと苦労してきたんだろうな、と私はちょっと同情する。でも、そんな同情なんかすぐに吹っ飛んでしまった。
ああ、だめだよう。
動かさないでよ。
破けちゃうようっ!
列車はゴトンゴトンと揺れる。
ついに井上さんの射精の時が来たようだ。
ズボッという大きな音を立てて、彼のモノが私の中から抜けた時、私はホントに赤ん坊でも産んだような気分になっていた。
次は菅原さんの番だった。
菅原さんは私のところまで上がって来ようとはせずに、逆に服を着て降りてくるように命じた。
アソコが痛い!
白木さんに奥を突かれ、井上さんが切り裂いたアソコが痛い。
脚をすぼめて、なんとか梯子を降りる。
アッという間に腕をつかまれ、ぐいぐい引っぱられた。部屋から外へ、通路へと連れ出される。
どこへ連れていくの?
窓が鏡のようになっていて、私の姿が映っていた。
よれよれのセーラー服、髪を振り乱した私。なんとも惨めな姿――。
私はヨロヨロと歩く。
隣の車両に渡ってすぐのところにトイレがあった。その中に私は連れ込まれた。
ステンレスの和式の便器が中央にある冷え冷えとしたトイレ。
入るとすぐに、無理矢理、服を脱がされる。素っ裸だ。
脱いだ服が床の上に無造作に捨てられる。
腕を背中で捻られ、両手首をセーラー服の赤いスカーフで縛られる。
眼の前に菅原さんのモノ。
トイレの灯りでハッキリ見えている。
黒くて刀剣のように妖しい光を放つ、いかにも使い込まれ、鍛え上げられた逸品!
何人もの女の子の生き血を吸った刀剣!
私は身震いした。
菅原さんは、その弓なりに反りかえった刀を私の口に差し込んで、グイグイ抜き差ししながら、手を伸ばして、乳房を引きちぎるように絞った
余りの痛さに涙がつぎつぎとこぼれ落ちる。
私は泣き声を上げている。ヤメテヤメテと叫んでいる。
でも、菅原さんは休もうともしない。
うぐっ、うぐっ、うぐっ。
菅原さんが強く突く度に喉が音を立てる。
うううう――吐き気が襲ってきた。
ああ、また、喉に突き刺さるよう!
吐く、吐く、吐いちゃうよう!
お腹が捩れる。
胃が痙攣する。
大きなうねり。身体を丸める。
でも、何も吐き出せない。何も出ない。
胃の中に何も残っていないんだ。
だから――ちっとも楽にならない。
吐き出せないんだ。
ああ、まただ! まただよう!
菅原さんが徹底的に私の喉を責めている。
私は何回も何回も嘔吐く。
腹筋がこわばって、ヒクヒクと痙攣する。
喉責めが一段落すると、今度は前屈みだ。
便器の横に手をついて、私はお尻を高く持ち上げる。
「そのまま動くな!」
菅原さんが冷たくいう。
恐ろしい声。
この声に逆らうことはできない。ビンと響いて、心を八つ裂きにする。
動けない。蛇に睨まれた蛙のよう。
お尻に平手打ちが飛んできた。
お尻ばかりではない。背中や乳房も叩かれた。
バチ、バチ、バチ。
肉と肉がぶつかる音がステンレスの室内に谺する。
何度も、何度も。
私はあまりの痛さに泣き喚く。
涙があふれ、鼻水が混じり、涎がそれに加わる。
いや!
もういや!
でも、そんなこと菅原さんにいえない。
気が済むまで、ぶだれるだけだ。
お尻はどうなっているの?
熱い!
熱い、熱い!
燃える様に熱い。
たぶん、いっぱいミミズ腫れができているだろう。
菅原さんが背中を押す。
お尻をもっと上に突き上げて、性器を露出させる。
菅原さんが見つめている。
私のアソコを見つめている。
ああっ、入ってきた。
菅原さんが入ってきた。
だめ、だめ、だめ!
菅原さんは獣の様な声を上げ、ピストン運動を続けている。
ヒイーッ、ヒーッ。
私は喉を鳴らす。
呼吸が荒い。
もう、だめえ、だめだよう!
壊れちゃうよう!
息絶え絶えの私。
髪の毛を掴まれる。
な、何をするの!
顔が便器の中に押しつけられる。
足をバタバタさせる。
菅原さんの力は強い。
嫌な臭いのする便器の底にまで顔が押しつけられている。
ぐいぐいと押さえつけながら、せっせとピストン運動を続けながら、菅原さんはレバーを引いた。
上のタンクに貯められた水が、ジャーと音を立てて、一気に押しよせてくる。
私の顔に激しく水流がぶつかる。
頭が水の中に浸かる。
苦しい!
息ができないっ!
助けて、助けて、助けて!
もうやめて、もうダメなんだよう。
死んじゃうよう!
菅原さんがグラインドを強めてくる。
死ぬ、死ぬ、死ぬ!
殺される、殺される、殺される!
どのくらい経ったのだろう?
突然、菅原さんは、手首のスカーフを解いて、私を解放した。
「汚ねえ顔を洗ってやったぜ」
吐き捨てる様な言葉。
汚い――そうだ、私は汚れている。
ザーメン、涙、涎、胃液に塗れている。
私はその場に崩れ落ちた。
ドアが閉まる音。
菅原さん?
どうやら出て行ったようだ。
終わった。終わった。
終わったんだ。
やっと終わった。
ホッとして身体中の力が抜けた。
太腿の辺りが何か温かい。
あっ、まずい!
身体が弛緩した拍子に、押さえつけていた括約筋も緩んだのだ。
オシッコだ。
オシッコが漏れている。
私は慌てて、起き上がる。
床を見る。
しわくちゃになったスカートがべっとり濡れている。
服の上にオシッコをしてしまったんだ。
私はボーッとそこに立っていた。
フッと我に返る。
トイレの鍵が開いている。
いけないっ!
慌ててトイレに鍵をかける。
素っ裸の私はパニックに陥っていた。
どのくらいその状態でいたのだろうか? 突然、ドアがノックされた。
菅原さん?
菅原さんが帰ってきた。
身体が恐怖に強ばる。
「一体、いつまで、やっているのかしらねえ」と女の人の声。
いけない!
私は慌てて、オシッコでべっとり濡れてしまったセーラー服を拾い上げると、上着に袖を通し、スカートを穿いた。濡れた布地が肌にへばりつく。
濡れた髪の毛を手で押さえつけ、スカートを引っぱって、姿勢を正す。
私は思いきってドアを開けた。
中年の太った女が私をジロリと私を睨みつけた。
「ごめんなさい!」
女の横をすり抜けて、私は小走りで部屋に戻った。
心臓がドキドキしている。
梯子を上ろうとすると、太い腕が私を引っ張り上げた。
「待っていたぜ」
菅原さんだった。
「まだ、時間が残っている。続けさせてもらうぜ」
菅原さんは私のオシッコで濡れたスカートをまくり上げ、お尻の穴の中に指を突っ込んできた。
何やらべたべたするものが塗りこまれている。
私は恐怖を憶えた。
そういえば、お尻の穴も見せろといったのは菅原さんだ。
そっちのマニアなんだろうか?
痛いっ!
お尻の穴が目一杯開いている。
菅原さんが入ってきたんだ!
さっき、咥えたので大きさは分かっている。
あんなものがお尻の中に入る訳がない。
痛いっ!
無理矢理に押し込もうとしている。
粘膜が捩れる。
無理だ。無理だ。
無理だよう。
これ以上入れると、肛門が裂けて、血が出ちゃう!
私はお尻に力を入れる。
「バカ野郎! 力を抜くんだ。そんなじゃ、入らねえじゃねえか」
菅原さんが凄む。
野郎じゃないわよ。
女の子に向かって失礼よ!
「力を抜けば楽になるぜ」と菅原さん。
私は、「痛い、痛い」と泣き喚いていたが、そんな事が通用する相手じゃない。
仕方なく身体の力を抜いた。
確かにこの方が楽だ。
菅原さんのものが私のお尻の中に入り込んできた。
肛門の粘膜を擦り上げる痛みに私は必死に堪えた。
「その調子だ。力を抜いて、いいぞ」
ようやく、かなり中まで入った。
ああ、前で受けるとはぜんぜん感じが違う。
菅原さんがお尻の中で動いている。
なんかへんな気分!
痛いのを通り越し、痺れるような感覚が残る。
菅原さんは、根元まで差し込んでから、激しく腰を動かす。
私はハア、ハア。ハアと息を吐く。
息を吐きながら反りかえる。
一段と腰の動きが激しくなる。
ああ、私も限界だ。
あああああ。
あああああ。
あああっ!
「おおっ!」
ひときわ大きな叫び声。
菅原さんが私のお尻にしがみついた。
そして、グイグイと二度、腰を振った。
菅原さんのものがグングン大きくなった。
そして、破裂した。
しばらく、静止!
二人とも動かない。
動けない。
背中で菅原さんの心臓の音を感じる。
菅原さんが私から離れる。
私は寝台に崩れ落ちる。
その隣に菅原さんが仰向けになった。
菅原さんの手が頭に伸びてきた。
ポンポンと軽く頭を叩く。
「なかなか良かったぜ、嬢ちゃん」
私は放心状態になっていて、返事などできない。
菅原さんが不思議そうな顔で私を見つめている。
「お前、幾らでこんな事、やってんだ? こんなことやってたら身体つぶすぞ。そんな器量ならもっと楽な仕事があるぜ。なあ、悪いこといわねえから、俺のところに来いや」
菅原さんは私の手に何かを握らせると、黙って寝台から降りていった。
私は手の中のものを見た。
一万円札。
そして、名刺。
「新宿、ドリーム企画」という文字が読めた。