紙尾真二郎
-
-

-
アレクサンドロス戦記(七六) 第三章⑰
(八)逃亡 北からの季節風を受けて船は順調に島々の間を進んでいたが、ロードス島の島影が見える所まで来ると、その風がピタリと止んでしまった。さきほどまで張り詰めていた帆が今はだらしなく垂れ下がって…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(七五) 第三章⑯
「門の前の道をたくさんの男が達が通っていくぞ!」 「見えるぞ、見える。あれは奴隷だ、奴隷の群れだ」 アリスタンドロスが声の方を振り向いた。 「おお、ついに始まったか、それにしても、ずいぶんと早かった…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(七四) 第三章⑮
その時、雲が動いて太陽が現れた。光が明り取りの窓から天幕の中に差し込む。ニコは光の中にいた。そして、光はニコの金色の髪や柔らかな産毛を輝かせた。突進してきたアリスタンドロスは立ち止まり…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(七三) 第三章⑭
(七) ニコ、奴隷の群れを見る マケドニア軍勝利の知らせがアリスベのキャンプにもたらされたのは、ニコが少女ペリボイアと一緒に流星を見た二日後のことであった。その時キャンプにいた者は少なかったが、それ…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(七二) 第三章⑬
戦いが終わり開かれた会議について触れておこう。 ここで、今後取る行動については議論がなされたのだ。二つの案が示された。ひとつは、このまま進んでヘレスポントス・プリキュアの首都ダスキュリオンを攻撃す…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(七一) 第三章⑫
(六)ソロンの手記 戦いはマケドニア軍の大勝利だった。いや、正確にはマケドニア軍ではなくて、ギリシャ連合軍と言わなければならない。戦いで奪取したペルシャ人の武具をアクロポリスの神に奉納するためにアテ…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(七〇) 第三章⑪
(五)クレイトス クレイトスは必死に馬を駆ってアレクサンドロスを追いかけていた。河を渡りきるや、王が全速力でペルシャ軍に向かって突撃していったのである。 慌てて、左翼のフィロタス率いる騎兵、右翼…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(六九) 第三章⑩
「どう、いいところでしょう! ここなら、私、自由でいられるわ」 少女がいかにもうれしそうに言う。 「私ね、ずっと閉じ込められていたの」 「君はトロイから来たの?」 「そう、トロイの神殿の…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(六八) 第三章⑨
その日はそれで終わった。次の日、顔のひっかき傷をラクリスに見つかって、叱られるかとニコは身構えたが、彼はニヤリと笑っただけだった。その夜もニコは夕食を少女のもとに運んだ。しかし、彼女は隠れていて姿を…
-
-
-

-
アレクサンドロス戦記(六七) 第三章⑧
(四)ニコ、星を見る ニコは眼を開けて、周囲を見回した。深夜である。まだ、みんな眠りこけているはずだ。 物音をたてないように細心の注意を払いながら、起き上がる。男たちの間を抜けて天幕の入り口に向か…
-