第二章 アレクサンドロス海を渡る
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アレクサンドロス戦記(五九)第二章㉒
「奥様、お目覚めですか? お食事をお持ちしました」 召使いの女の声に、バルシネは跳び上がった。 ――いけない! また、私ったら余計なことを考えてしまっている バルシネは慌てて起き上がり、服をはお…
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アレクサンドロス戦記(五八)第二章㉑
メムノンとの結婚生活はメントルとのものとは全く違った。 結婚の儀が執り行われた日の夜、バルシネは裸体の上に中が透けてみえるほどの薄衣をはおり、夫の寝室に向かった。月明かりに寝台に横たわるメムノンが…
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アレクサンドロス戦記(五七)第二章⑳
バルシネは昔の事を思い出してフッとため息をついた。 メントルとメムノン――バルシネはこの二人の兄弟の妻になった。顔は似ているが二人はまるで性格が違う。兄メントルは激しい気性の持ち主だが、明るくて何…
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アレクサンドロス戦記(五六)第二章⑲
(七)バルシネ バルシネは朝の光の中で目を覚ました。窓から微風が入ってくる。風は暖かく、素肌に心地よい。潮の匂いの他になにやら甘い香りが混じり込んでいた。 春――煌めく陽光の下で草木が芽吹き、花の…
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アレクサンドロス戦記(五五)第二章⑱
(六)作戦会議 アリスベの野営地にある王の天幕にマケドニア軍の主立った諸将が集まってきた。今後の作戦についての軍議が開かれるのである。 副司令官のパルメニオンを筆頭に、騎兵・歩兵の大隊長達が招集さ…
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アレクサンドロス戦記(五四)第二章⑰
「いかがですかな、欲しいものはございませんかな?」 これを猫撫で声というのだろう。嫌らしいほど滑らかな男の声がした。 「当面は間に合っている」と、ラクリスの声。 どうやら後ろの方で、料理人のラクリ…
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アレクサンドロス戦記(五三)第二章⑯
ニコが黙っていると、カレスは話を続けた。 「俺はあのテーバイの戦にもついていったんだ。あれは酷かったぜ。なにせ、あのテーバイが消滅しちまったんだからな」 ニコは驚いて男の顔を見たが、黙っていた。 …
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アレクサンドロス戦記(五二)第二章⑮
二百人分のパンを焼き上げ、ようやく休憩になった。各自のカップに水が注がれ、ニコはそれを持って石の上に足を投げ出して座った。一緒に焼き番をしている男が隣に座る。男はカレスとい名乗った。相当いい年なのだ…
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アレクサンドロス戦記(五一)第二章⑭
(五) ニコ、大麦ロールパンを焼く アリスベの野営地で、ニコは朝から火と格闘していた。王の直属部隊で料理を担当しているラクリスからパン焼きを命じられたのだ。 パン焼きは「生地作り」と「焼き手」の二…
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アレクサンドロス戦記(五十)第二章⑬
「知っている。カリアの総督であったピクソダロスがマケドニアと同盟を結ぼうと使者を送ったのだ」 「ええ、ピクソダロスは、陛下の腹違いの兄弟であるアリダイオス様に自分の娘を嫁として差し出すことを申し入れた…
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