アレクサンドロス戦記Ⅰ
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アレクサンドロス戦記(二六)第一章⑫
「戦争はなかった。でも、町の人が叔母さんを襲ったんだ……」 「襲う? どうしてだ?」 ネアルコスは意外だった。アテナイの人々がニコの叔母の家を襲撃したという。 「町中のテーバイ人を捕まえてマケドニア…
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アレクサンドロス戦記(二五)第一章⑪
「おい、余り手荒なまねはするな」 ネアルコスが男を制した。 「ちょっと、私が話をしてみよう」 ネアルコスはそう言うと少年の側に立った。 「痛いか?」 「こんなもの……それより、はやく自由にしてくれ…
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アレクサンドロス戦記(二四)第一章⑩
ネアルコスは、自分はアレクサンドロスに信頼されていると思っている。 あの「カリア事件」でアレクサンドロスに恩を売ったからだ。アレクサンドロスの意を受けて、彼の異母弟アリダイオスとカリア総督の娘との…
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アレクサンドロス戦記(二三)第一章⑨
(三)ネアルコス (アンフィポリスへの船上 BC三三四年春) 帆を一杯に膨らませて、船は紺碧の海の上を滑るように進んでいる。 島の間を抜けると無数のカモメが群がってきた。ネアルコスが持っていたパン…
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アレクサンドロス戦記(二二)第一章⑧
……三年前、先王フィリポッス二世はアレクサンドロスの母オリュンピアスを姦通の疑いで離縁し、低地マケドニア人の娘クレオパトラを妃にした。 新しく王妃となったクレオパトラは、最近めきめきと力をつけてき…
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アレクサンドロス戦記(二一)第一章⑦
テーバイ兵は果敢に闘い、市壁の外の戦いは最初のうちは互角だった。 アレクサンドロスは愛馬ブケファラスに跨がり、縦横に動いて指示を出す。そして、テーバイ軍のほころびを見つけるとそこを徹底的に攻めた。…
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アレクサンドロス戦記(二十)第一章⑥
フィロタスは悪夢にうなされて目をさました。身体中がべっとりと汗で濡れている。目覚める前に大声を出した記憶があった。 ここのところ同じ夢を何回も繰り返し見ている。隣を見ると妻が寝息をたてていた。フィ…
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アレクサンドロス戦記(十九)第一章⑤
(二)フィロタス (ペラ BC三三四年春) 町は狂気に支配されていた。 もはや兵達は制御が効かない野獣の群れだ。皆、ギラギラと血走った目で、憎悪を剥き出しにしている。 暴徒となった…
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アレクサンドロス戦記(十八)第一章④
「君は、女はまったくだめなのか?」 ベッドの上に仰向けになって、ヘファイスティオンは隣で寝そべっているアレクサンドロスに聞いた。先程の興奮がまだ十分に冷めきっていない。 「ダメというわけではない………
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アレクサンドロス戦記(十七)第一章③
「テーバイの時、君はいなかった……」 アレクサンドロスは苦虫を噛みつぶした顔になった。 「ああ、いなかった。だが……君はよくやったよ。反乱者をあっという間に殲滅できたではないか」 ヘファイスティオ…
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