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アレクサンドロス戦記(七四) 第三章⑮
その時、雲が動いて太陽が現れた。光が明り取りの窓から天幕の中に差し込む。ニコは光の中にいた。そして、光はニコの金色の髪や柔らかな産毛を輝かせた。突進してきたアリスタンドロスは立ち止まり…
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アレクサンドロス戦記(七三) 第三章⑭
(七) ニコ、奴隷の群れを見る マケドニア軍勝利の知らせがアリスベのキャンプにもたらされたのは、ニコが少女ペリボイアと一緒に流星を見た二日後のことであった。その時キャンプにいた者は少なかったが、それ…
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アレクサンドロス戦記(七一) 第三章⑫
(六)ソロンの手記 戦いはマケドニア軍の大勝利だった。いや、正確にはマケドニア軍ではなくて、ギリシャ連合軍と言わなければならない。戦いで奪取したペルシャ人の武具をアクロポリスの神に奉納するためにアテ…
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アレクサンドロス戦記(六九) 第三章⑩
「どう、いいところでしょう! ここなら、私、自由でいられるわ」 少女がいかにもうれしそうに言う。 「私ね、ずっと閉じ込められていたの」 「君はトロイから来たの?」 「そう、トロイの神殿の…
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アレクサンドロス戦記(六八) 第三章⑨
その日はそれで終わった。次の日、顔のひっかき傷をラクリスに見つかって、叱られるかとニコは身構えたが、彼はニヤリと笑っただけだった。その夜もニコは夕食を少女のもとに運んだ。しかし、彼女は隠れていて姿を…
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アレクサンドロス戦記(六七) 第三章⑧
(四)ニコ、星を見る ニコは眼を開けて、周囲を見回した。深夜である。まだ、みんな眠りこけているはずだ。 物音をたてないように細心の注意を払いながら、起き上がる。男たちの間を抜けて天幕の入り口に向か…
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アレクサンドロス戦記(六六) 第三章⑦
朝日を浴びてすべてがハッキリと見え始めた。フィロタスは相変わらず堤の上に立って対岸を凝視している。先ほどから動きがあった。羽根がついた冑をかぶった男が現れたのだ。 あれはアレクサンドロス陛下だ。そ…
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アレクサンドロス戦記(六五) 第三章⑥
「おい、おい、なんて格好なんだ」 ヘファイステイオンが素っ頓狂な声を上げた。天幕から出てきたアレクサンドロスの格好があまりに異様だったからだ。 「どうだ、似合うだろう」 アレクサンドロスはヘファイ…
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アレクサンドロス戦記(六四) 第三章⑤
(三)戦闘開始 満月のおかげで視界はかなり良好だった。これなら、足元の状況もなんとか見て取れるとフィロタスは思った。 「夜のうちに少数名で河を渡って見張りを始末する。その上で本隊が夜明けまでに河を渡…
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アレクサンドロス戦記(六三) 第三章④
パルメニオンはずっと沈黙を続けていたが、ようやく静かな口調で話出した。心の奥にまで響き渡る声だった。 「まず、この戦いには必ず勝たねばならない。ここで破れるようなことがあれば離反を生み、せっかくのコ…
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