遠山ケイ

  • 第五話 武者紫⑬

     ああ、なんという酷い命令!  会議室で全裸になって写真を撮れだって!  服を脱いじゃったら、誰か入ってきた時、どうしようもできないじゃないの!  会議室に隠れるところなんかないから、私の恥ずかしい姿…
  • 第五話 武者紫⑫

    (四)  今日は出勤日だ。  会社でうまくやれるだろうか? とても心配だった。  昨日は縄姿で街へ出た。とはいっても、人との接触は店員に限られている。でも今日は一日中、会社という閉鎖空間の中で上司や同…
  • 第五話 武者紫⑪

     その夜、また夢を見た。  長い黒髪を後ろでまとめた「私」は藁筵の上に正座している。全裸で、紫色の縄で後ろ手に縛られているのだけど、縛り方が普通の菱縄ではない。よく時代劇に出てくる女囚の縛り方なのだ。…
  • 第五話 武者紫⑩

    (三)  昨日の寒さがウソの様な秋晴れの暖かい日になった。  会社に休みの連絡を入れた後、今日一日どう過ごそうか考えた。  まず、縄を隠す服を探さないといけない。  それから――。  何も思いつかない…
  • 第五話 武者紫⑨

     夢を見た。  時代劇にでも出てきそうな部屋だった。  天井には太い梁が通っていて、そこから縄が数本伸び、ギシギシと軋んでいる。張り詰めた縄をたどると、そこに武者紫の縄衣装を着けた「私」がいた。梁から…
  • 第五話 武者紫⑧

     そうと決まれば、今夜はもう何もすることがない。  急にお腹がすいてきた。冷蔵庫の冷凍ピラフを取り出し、電子レンジで温める。食べながら、あの人との事を考えた。  あの人に会ったのは一年前。  最初は普…
  • 第五話 武者紫⑦

    (二)  武者紫の麻縄で縛られた生活が始まった。  あの日、アパートに帰り着くとすぐにコートを脱いで裸になり、縄で縛られているアソコを点検した。電車の中で濡れ出していることに気づいたのだ。  電車は思…
  • 第五話 武者紫⑥

    「なあに?」私は興味津々で訊いた。 「玲子の身体を使って、この縄を完成させて欲しいんだ……」 「えっ……私の身体を使って?」 「そう、緊縛を続けると玲子がいい気分になっていくように、縄も使っているうち…
  • 第五話 武者紫⑤

    「ああ……いいわ…そんなところ、突かれると……わたし……ああっ……そこは……だめぇっ……ううう……い、い、いきそうです……あっ……あっ……」  私は次第に感極まってきて、大きな声をあげる。そして、あの…
  • 第五話 武者紫④

    「ねえ……お願い……」  私はすがる様な目であの人を見つめた。 「なんだい……」 「……」  私はきっと真っ赤になっていただろう。恥ずかしくて言葉が出てこない。 「どうしたんだい?」  あの人はそう言…