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アレクサンドロス戦記(二十)第一章⑥
フィロタスは悪夢にうなされて目をさました。身体中がべっとりと汗で濡れている。目覚める前に大声を出した記憶があった。 ここのところ同じ夢を何回も繰り返し見ている。隣を見ると妻が寝息をたてていた。フィ…
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アレクサンドロス戦記(十九)第一章⑤
(二)フィロタス (ペラ BC三三四年春) 町は狂気に支配されていた。 もはや兵達は制御が効かない野獣の群れだ。皆、ギラギラと血走った目で、憎悪を剥き出しにしている。 暴徒となった…
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アレクサンドロス戦記(十八)第一章④
「君は、女はまったくだめなのか?」 ベッドの上に仰向けになって、ヘファイスティオンは隣で寝そべっているアレクサンドロスに聞いた。先程の興奮がまだ十分に冷めきっていない。 「ダメというわけではない………
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アレクサンドロス戦記(十七)第一章③
「テーバイの時、君はいなかった……」 アレクサンドロスは苦虫を噛みつぶした顔になった。 「ああ、いなかった。だが……君はよくやったよ。反乱者をあっという間に殲滅できたではないか」 ヘファイスティオ…
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アレクサンドロス戦記(十六)第一章②
日が落ちて、ずいぶんと寒くなってきた。放っておくと、アレクサンドロスは夜明けまでずっとこのまま、地平線の彼方を見つめているかもしれなかった。 ヘファイスティオンは早く部屋に戻りたくなった。 「わか…
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アレクサンドロス戦記(十五)第一章①
第一章 戦の準備 (一)ヘファイスティオン (ペラ BC三三四年春) 黄昏時、薄暗くなった回廊を一人の青年が歩いている。 中庭にはまだ日の名残りがあるが、それを取り囲むギリシャ風の柱廊はすでに薄…
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アレクサンドロス戦記(十四)プロローグ⑭
「イリス、大丈夫か!」 ソロンはイリスのもとに駆け寄った。なんとか鼎からイリスを解放してやりたい。イリスを拘束している縄を解こうとする。足首を縛っている縄が解けたが、だが、腹の部分の結び目が固くて…
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アレクサンドロス戦記(十三)プロローグ⑬
服が破れて、上半身がすっかり露出し、胸から腹にかけて血でべっとりと汚れている。 「なんということだ!」 ソロンは呻いた。 イリスは腰と両方の足首を縄で鼎に縛りつけられていたが、手は拘束されておら…
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アレクサンドロス戦記(十二)プロローグ⑫
神殿に静寂が戻った。 大きな揺れはそれほど長くは続かず、揺れ戻しも来なかった。 ソロンは祭壇の前にしゃがみこんでいた。イリスが連れ去られ、コリーナが殺された。それからしばらくして、アレクサンドロ…
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アレクサンドロス戦記(十一)プロローグ⑪
髭面の男がまだそこに残っていた。 男は部屋にある宝物類をひとつひとつ手に取っては値踏みしている。 その時、イリスは足音を聞いた。 ――誰かやってくる! あの男がまた戻って来るのかとイリスは怯…
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