小説
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アレクサンドロス戦記(十七)第一章③
「テーバイの時、君はいなかった……」 アレクサンドロスは苦虫を噛みつぶした顔になった。 「ああ、いなかった。だが……君はよくやったよ。反乱者をあっという間に殲滅できたではないか」 ヘファイスティオ…
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アレクサンドロス戦記(十六)第一章②
日が落ちて、ずいぶんと寒くなってきた。放っておくと、アレクサンドロスは夜明けまでずっとこのまま、地平線の彼方を見つめているかもしれなかった。 ヘファイスティオンは早く部屋に戻りたくなった。 「わか…
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第二話 夜汽車①
第二話 夜汽車 一 それは昨日の夜の事だった。私は義母の敏江さんに、「明日、北海道旅行に出かけるから」と告げられた。 「明日は火曜日よ。学校に行かなきゃ」というと、お義母かあさんは平然と、 「大丈夫…
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アレクサンドロス戦記(十五)第一章①
第一章 戦の準備 (一)ヘファイスティオン (ペラ BC三三四年春) 黄昏時、薄暗くなった回廊を一人の青年が歩いている。 中庭にはまだ日の名残りがあるが、それを取り囲むギリシャ風の柱廊はすでに薄…
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第一話ミッキーマウス④
チャイムが鳴った。体育の時間は終わりだ。みんな教室に引き上げて行くのが見える。 でも、私は鉄棒に下半身をさらしてぶら下がっている。上着のすそが胸のあたりまでずり落ちて、胸が露出しているはずだ。手と…
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アレクサンドロス戦記(十四)プロローグ⑭
「イリス、大丈夫か!」 ソロンはイリスのもとに駆け寄った。なんとか鼎からイリスを解放してやりたい。イリスを拘束している縄を解こうとする。足首を縛っている縄が解けたが、だが、腹の部分の結び目が固くて…
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アレクサンドロス戦記(十三)プロローグ⑬
服が破れて、上半身がすっかり露出し、胸から腹にかけて血でべっとりと汚れている。 「なんということだ!」 ソロンは呻いた。 イリスは腰と両方の足首を縄で鼎に縛りつけられていたが、手は拘束されておら…
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アレクサンドロス戦記(十二)プロローグ⑫
神殿に静寂が戻った。 大きな揺れはそれほど長くは続かず、揺れ戻しも来なかった。 ソロンは祭壇の前にしゃがみこんでいた。イリスが連れ去られ、コリーナが殺された。それからしばらくして、アレクサンドロ…
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アレクサンドロス戦記(十一)プロローグ⑪
髭面の男がまだそこに残っていた。 男は部屋にある宝物類をひとつひとつ手に取っては値踏みしている。 その時、イリスは足音を聞いた。 ――誰かやってくる! あの男がまた戻って来るのかとイリスは怯…
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アレクサンドロス戦記(十)プロローグ⑩
「く、くるしいっ!」 イリスはもがいた。だが、縛られているので思うように身体が動かない。革紐がどんどん喉に食い込み、息が出来なくなった。 イリスは力を振り絞って、しゃがれた声を上げる。 「……まっ…
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