小説
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アレクサンドロス戦記(四十)第二章③
青い芽が吹き始めた草原に、春とはいえまだ冷たい風が吹きつけていた。 プププップーッと鋭いラッパの音が響き、長槍を携えた重装備歩兵の一隊が現れた。横一列に八名が並んで、槍を立てて行進してくる。足…
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アレクサンドロス戦記(三九)第二章②
さて、アンフィポリスの草原に、三万五千のコリントス同盟軍が集結し、出征に向けた最終チェックのために、様々な演習が行われたので、その様子を記録しておきたい。 マケドニア軍は基本的に騎兵と歩兵の統合軍…
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第三話 電車通学①
私は薄いベールに包まれている。その外側で、先ほどからなにやら声がしている。私は消え入ってしまいそうな意識をなんとかその声に集中させようとした。よく知った声だ。 「ん!」 聞き慣れた声。そのはずだ。…
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アレクサンドロス戦記(三八)第二章①
第二章 アレクサンドロス海を渡る (一) ソロンの手記 コリントス同盟軍が東征を開始した。すでに春とはいえ、トラキアの山々にはまだ雪が残っている。海沿いの道を、延々と行軍が続く様は圧巻である。 私…
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アレクサンドロス戦記(三七)第一章㉓
軍議が終わって、パルメニオンは一人になった。いつものハーブ茶をカップに注いで、ひとくち口をつける。それから椅子にどっかと腰を下ろした。 ――アレクサンドロスが来る 思えば長い二年間だった。ペルシ…
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アレクサンドロス戦記(三六)第一章㉒
「さて、もう一つの懸念事項だ。渡海の準備と受け入れ体制について、状況を聞かせよ」 パルメニオンが静かな口調で聞いた。答えたのはペラから派遣されてきたエウメネスという名の若いギリシャ人だった。 「まず…
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アレクサンドロス戦記(三五)第一章㉑
(六)パルメニオン (ヘレスポントス BC三三四年春) ヘレスポントスはエーゲ海とマルマラ海を結ぶ、最も狭いところでは幅が一キロ余りという海峡である。アジアとヨーロッパを分ける要となることから、ヘ…
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アレクサンドロス戦記(三四)第一章⑳
「わかった。ひとつ条件がある……」 「なんです?」 「得た情報を逐次、私に教えるのだ。カリステネスはもうひとつ信用できない。君が定期的に情報を送ってくれるなら、神託の意味を解き明かせる」 ソロンはア…
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アレクサンドロス戦記(三三)第一章⑲
「実のところを言うと、アレクサンドロス様は神託を聞いておりません。王はイリスに神託を行えと強要されましたが、イリスは神憑きの状態になれなかったのです。 アレクサンドロス様が来られたのは冬です。冬の間…
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第二話 夜汽車⑦
七 どのくらい、そうしていたのだろう? 山田さんと富山さんが入れ替わったのは覚えている。 その他のことは、それからどんなヒドいことされたのか覚えていない。 私は陶酔にむせびながら、腰を振り続け…
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